【ネイチャースタディコース】屋久島修学旅行_前編
2019年度以来コロナ禍でずっと延期していた修学旅行が10月25日(火)からスタートしました。
今年度のネイチャースタディコースは屋久島・鹿児島修学旅行です。
羽田空港から伊丹空港へ移動し、そこでとても小さなプロペラ機に乗り込んで屋久島空港へ向かいました。普段プロペラ機に乗る機会がないため、生徒たちは物珍しそうに写真を撮っていました。
そして屋久島に着いてからすぐ郷土料理(トビウオのお刺身やサバ節、山の幸の炊き込みなどの料理が全て屋久杉で出来た食器で出されました)をお昼に頂きました。東京ではなかなか食べられない料理を生徒たちは美味しそうに食べていました。
その後、屋久杉自然館にて、明日トレッキングをする白谷雲水峡含め屋久島の自然の事前学習を行いました。
屋久島が屋久杉と歩んできた歴史や屋久杉の特徴などをガイドさんから教えてもらい、たくさんの展示物などを見せてもらいました。屋久島では米を年貢として納めるのではなく、屋久杉を平木(平たい木の板)に加工して、それを年貢の代わりに薩摩藩へ納めていたそうです。
重宝された理由は屋久杉の特徴にあり、他の杉よりも樹脂が多く腐りにくく虫にも強いためだそうです。修学旅行前に学校でも事前学習を行いましたが、現地で本物に触れることで、より一層明日のトレッキングへの期待が高まったことだと思います。
夕食後は外に出て星を見に行きました。少し雲があり「満天の星空」というわけにはいきませんでしたが、光が多い東京で見る星よりもかなりハッキリとしていて綺麗でした。
明日はお弁当を持って白谷雲水峡へトレッキングに行きます。屋久杉はもちろんのこと「もののけ姫」の舞台にもなった「苔むす森」などを散策してきます。
往復約6時間、約5.6kmの道のりですが、頑張ります。
2日目は屋久島のメインである白谷雲水峡へトレッキングをしてきました。
コースがいくつかある中で一番長く大変な「太鼓岩コース」に挑戦です。大変ですが、最終ゴール地点の太鼓岩から臨む景色は絶景といわれています。
町内は朝から天気が悪く、嫌な予感がしていた通り、現地は強い雨でした。屋久島は「1ヶ月のうち35日は雨」と言われているので仕方ありません。
2グループに分け、それぞれにガイドさんが付いて色々説明を受けながらのスタートとなりました。中に入るといたるところに苔が生えており、その苔は動物の毛並みのような滑らかさと手触りで、生徒たちも驚いていました。基本的に土壌が岩石でできているこの場所は、その苔のおかげで、そこに落ちた種から新しい植物が芽を出すそうです。
どんどん中に入っていくと、しばらくして「くぐり杉」という根本にぽっかり穴が開いていて人一人が通れる杉(漢字の「人」のような形をしています)があり、文字通りみんなでくぐりました。また「七本杉」という主たる幹が強風で倒れ、上部の枝(7本)が上に伸びた代表的な杉を見て、植物の生命力の強さを改めて感じました。そして、生徒お待ちかねの「苔むす森」に到着、ここはもののけ姫に出てくる森のモデルになったと言われおり、一帯が苔で覆われており、とても幻想的な空間で生徒たちは夢中で写真を撮っていました。
片道3時間弱を要し、「太鼓岩」に到着した時にちょうど雲が晴れ、絶景を見ることが出来ました。
太鼓岩は大きな岩で、その岩を叩くと中が空洞の場所はボンボンという音がすることから名付けられたそうです。
疲労と寒さで生徒の顔にもかなりの疲労感が見えていましたが、景色が見られたことがすごく良かったという感想を何人もの生徒から聞けて安心しました。また道中、野生の猿や鹿に会えたことも非常に喜んでいました。
昔の人は機械も舗装された歩道もない中、屋久杉を伐採し、そこで加工し、それらを全て持って下山するというルーチンを生活の為にずっとやっていたという事実は、せいぜい約6時間程度のトレッキングで体中が筋肉疲労で痛み、バテバテだった現代人には想像も付かないことだと思いました。
また、屋久島の特異な植生を教科書では習いましたが、実際に自らの足で歩き、自分の目で見れたことは非常にいい機会であったと思います。
明日は筋肉痛との戦いが待っていますが、場所を鹿児島市内に移動し、黒酢を作っている場所や農業学習を兼ねて企業訪問などをする予定です。