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被災地にてボランティア活動!東北ボランティア研修レポート

 初日は東京駅から東北新幹線で新花巻に向かいましたが、途中駅の仙台で積み込んだお弁当は「福興弁当」。これからボランティア研修旅行に行くんだ!という気持ちしっかり持ちつつ、そこからバスで釜石駅に向かいました。釜石では少し時間に余裕があったので釜石復興の鐘を鳴らしてみたり、釜石市郷土資料館を見学しました。釜石駅からはNHK連続テレビ小説のあまちゃんで有名な三陸鉄道の南リアス線に乗りました。三陸鉄道は何と貸し切りで、乗務員の方が震災当時のこと、鉄道復旧までの道のり、停車駅周辺の様々なエピソードを写真を交えて説明してくださいました。多くの方が犠牲となった大船渡市の「さんりく」という駅では全員で黙祷を捧げました。

 終点の盛駅で下車、そこからバスで南三陸町にあるホテル観洋へと向かいました。
夕食後、ホテル従業員の方から写真を交えながら実体験のお話を伺いましたが、震災を風化させないためにと、辛い話も真剣にしてくださいました。
人が来てくれると嬉しい、前に進む力が生まれるとのお話を伺い、本当にきて良かった、被災地に足を運ぶとはこういうことなんだということを実感することができました。

 2日目は語り部ガイドさんによるバスツアーからスタートしました。ホテルからほど近い南三陸町の市街地は津波の影響で大きな打撃を受けました。家や建物のほとんどが流され、多くの場所はまるで原っぱのようでした。今後は高台に宅地を作るという計画の下、ブルトーザーが山を整地しているところでした。ただその整地もまだ始まったばかりとのこと、完成までにはかなりの時間を要するようで復興への道はまだまだ険しいと感じました。
 
バスは被害の大きかった防災対策庁舎の前へと進み、私たちはバスから降り、建物の前で手を合わせました。この防災対策庁舎では当時、多くの職員が任務についていましたが、3階の屋根まで津波がやってきて43名の方が亡くなられたそうです。自然の恐ろしさをまざまざと見せつけられました。
 
その後、沼田地区にある仮設住宅へ行きました。ここではボランティア活動として、集会室の窓ふきや周辺の草取りをさせていただきました。その後自治会長さんや役員の方から当時のお話を伺いました。津波が来たらとにかく高い所へ避難する、このことをしっかりと後世に伝えていきたい、全国からのさまざまな援助やあたたかい思いやりに感謝している、またこうして来てくれることが本当に嬉しいとおっしゃっていました。不自由な仮設住宅での暮らしはあと3年は続くだろうとのこと、一日でも早く新しい宅地が完成して、本当の家に住めるようにと願わずにはいられませんでした。
 
最後の訪問地は南三陸町さんさん商店街でした。この商店街は2012年2月25日(土)に、南三陸町の志津川地区に オープンした仮設商店街、復興をになう地元の事業者32店が軒を連ねています。
入り口付近にはモアイ像がありました。1991年のチリ地震津波の際に復興と友好の証としてチリのイースター島から贈呈されたのですが、津波によって流されてしまいました。そこで再び新しいモアイ像が贈られたそうです。モアイには「未来に生きる」という意味があるそうで、南三陸町の復興を見守ってくれているように見えました。

今回の研修旅行に参加した生徒は、自分の目で見て、聞いて、それぞれにいろんなことを感じたことでしょう。命の大切さ、避難する勇気、絶対にあきらめない気持ち、感謝する心・・・
震災から3年5ヶ月がたちましたが、まだまだ多くの課題も残されています。これからも被災地に心を寄せ、私たちにできることは何なのかを考え、そして行動に移していきたいと思っています。