ハワイグリーンステイ 【後編】
ネイチャースタディコースのハワイグリーンステイの様子をレポートします。
【最終日、帰国】(3日目、4日目の様子は記事下部)
自然との共生、
今日はワイキキからオアフ島を東から北に向かい、カフクファームという大きな農場を訪問しました。
ここでは主にカカオ、バナナ、パパイヤ、エッグプラント(ナス)、アサイーなどを栽培しています。 特にアサイーは、この農場がハワイで初めて本格的な商業展開を始めたそうです。
カカオにせよ、アサイーにせよワイキキや日本にいると加工されたものを目にしますが、群生している様子を見るのはとても新鮮でした
また、レタスは水耕栽培をしており(ネイチャースタディコースでも校内でアクアポニクスでお馴染みの栽培方法となっています)、興味深くお話を聞くことができました。
ランチは併設されるカフェでベジタブルサンドともぎたてフルーツの盛り合わせ、パイナップルティーを頂きました。壮大で森のような農場で収穫されたばかりの野菜や果物の味は本当に格別のものでした。
このカフクより北になると、風景の中に風車を多く目にするようになります。東日本大震災を契機に、ハワイ州では従来の火力発電に加え、風力や水力、太陽光などのクリーンエネルギーによる発電への緩やかな移行が検討されているそうです。しかし、施設建設や増設に伴い、文化や自然を守りたいロコ(地元に住む人々)との摩擦は増えているそうです。持続可能な開発、そして共生は場所によって異なる多様な課題があることを再確認しました。
カフクファームを後にし、帰りはサーフィンのメッカであるノースショアに立ち寄り、浜辺で迫り来る波から海の力を感じました。ラッキーなことに、海面から顔を出すウミガメにも会うことができました。
最後はロコに人気のファーマーズマーケットへ。地元の方が出している露店を見て回りました。
いよいよ、旅は明日で最終日を迎えます。
【ハワイグリーンステイ3日目】
ネイチャースタディコースのハワイグリーンステイ3日目の様子をレポートします。
今日はオアフ島の東側、カネオヘ湾からハワイ大学海洋生物研究所のあるココナッツ島へボートで向かいました。
その途中で海に漂うプランクトンを回収し、簡単な説明がありました。
プランクトンと呼ばれている生物は
①、漂泳している
②、地球の酸素の50%を生産している
そうです。
研究所に着いてからは、回収したプランクトンを各自顕微鏡で調べて、気に入った2種類のスケッチをしました。
見たこともないプランクトンに興奮しながらも、少ない時間で一生懸命観察していました。
そして、プランクトンを含めた地球の生態系についての講義を受けました。
普段目にしている植物のみが酸素を作り出しているわけではなく、目に見えない生物の恩恵を受けていることがわかりました。
そのプランクトンを小さい魚が補食し、それをより高次な生物が補食し、最後は人間へ、という食物連鎖がある中で温暖化の影響を受け、2050年にはプランクトンが全て死滅するという論文も発表されているようです。
温暖化の影響は目に見える大きな事象のみならず、ミクロな部分にも迫っていました。
この後、ハワイの海水を海藻ごと汲み取り、邪魔な外来種の海藻を取り除き、在来種の生物のみを海に戻すという作業をしました。
中には小さなカニや多種多様なワーム、ナマコや貝やバロニアなど色々な生物がいました。
ゴム手袋をしているとは言え、慣れない作業に戸惑っている生徒が多くいました。
しかし、この作業はハワイのキレイな海を保つために必要な事で、研究所のスタッフが日々やられていると聞いて、共生するために努力されていることがよくわかりました。
最後に、シュモクザメなどを管理しているエリアを見学して回り、ココナッツ島を後にしました。
昼食後は場所を移動し、ダイアモンドヘッド登頂のアクティビティです。
言わずと知れたハワイの定番の観光スポットです。
駐車場を降りると、周りを山肌に囲まれていることに気づきます。
ここは約50万年前の噴火によってできた火口だったということで、航空写真で確認すると、その地形と、噴火のエネルギーの大きさがよく分かります。
未舗装の道を約1km、往復1時間でトレッキングしました。
距離はさほどでもありませんが、急な階段もあり、かなりいい運動になたようです。
山頂からは昨日まで訪れていた場所を始め、ワイキキを一望することができました。
雄大な緑の自然と、真っ青な海の美しさに疲れも吹き飛ぶ思いです。
一方で、この青い海の中には多くの課題があることを忘れてはいません。
午前に訪問した研究所ではプランクトンたちが絶滅に向かっていることや、魚類の深刻な現象、鳥やウミガメのプラスチックごみによる被害を学びました。
講義をしてくださったマイクさんは言いました。
「今すぐ解決方法を見つけなくても良い。でも必ず今日の学びは覚えておいてほしい。私たちとあなたたちの世代の大きな課題なのだから」
見えるものと、見ようとしないと見えてこないもの。
教科書やテレビで見聞きすること以上に、環境問題は深刻であること、またそれを食い止めるべく活動をしている人達がいること、そしてそれは私達が意識しながら生活することでも充分効果が得られることがわかりました。
学校に戻ったあと、SDGsを扱っている授業で改めて私達が出来ることは何なのかを考え直してみようと思います。